桂皮読み方:ケイヒ 英語名:Cinnamon

シナモンとしてもなじみ深い生薬・桂皮と呼びますが中国ではより細かく分類されています。
発汗、止痛、利水、鎮静、血行促進など様々な効果を持つ生薬です。

基本情報

別 名 肉桂、桂(けい)、シナモン
学 名 Cinnamomum cassia
原 材 料 クスノキ科ケイ
薬用部位 素材の樹皮を用いる
採取・時期 6~7月頃、樹皮を剥ぎ取り乾燥させる
産 地 中国

漢方医学的情報

生薬分類 温裏薬
薬 味 甘味, 辛味
薬 性 熱性(食べると熱くなる)
薬効、薬理 利水, 止痛, 温通, 解表
帰 経 肝経, 心経, 脾経, 腎経, 胃経
配合漢方薬 連珠飲苓桂味甘湯苓桂甘棗湯薏苡仁湯木防已湯明朗飲加菊花麻黄湯人参養栄湯女神散奔豚湯補肺湯防已茯苓湯分心気飲茯苓沢瀉湯白虎加桂枝湯半夏散及湯八味疝気方八味地黄丸独活湯独活寄生湯独活葛根湯当帰湯当帰四逆湯、帰四逆加呉茱萸生姜湯、当帰建中湯桃核承気湯定悸飲肘後方丁香柿蔕湯中建中湯治打撲一方蘇子降気湯続命湯千金内托散折衝飲神仙太乙膏椒梅湯小続命湯小青竜湯加石膏小青竜湯加杏仁石膏小青竜湯小建中湯十全大補湯炙甘草湯柴苓湯柴胡桂枝湯柴胡桂枝乾姜湯柴胡加竜骨牡蛎湯柴葛湯加川芎辛夷柴葛解肌湯五苓散牛車腎気丸五積散牛膝散甲字湯堅中湯桂麻各半湯桂枝茯苓丸料加薏苡仁桂枝茯苓丸桂枝人参湯桂枝二越婢一湯加朮附桂枝二越婢一湯桂枝湯桂枝芍薬知母湯桂枝加苓朮附湯桂枝加竜骨牡蛎湯桂枝加朮附湯桂枝加芍薬湯桂枝加芍薬大黄湯桂枝加芍薬生姜人参湯桂枝加厚朴杏仁湯桂枝加葛根湯桂枝加黄耆湯桂枝越婢湯桂姜棗草黄辛附湯九味檳榔湯芎帰調血飲第一加減帰耆建中湯甘草附子湯栝楼薤白湯葛根湯加川芎辛夷葛根湯、根加朮附湯、黄連湯黄耆建中湯黄耆桂枝五物湯温経湯右帰丸茵蔯五苓散胃苓湯胃風湯安中散加茯苓安中散

一般情報

主用成分 精油:桂皮アルデヒド、シンナミルアセテート、フェニル - プロピルアセテート、桂皮酸
主な効能 解熱、鎮静、鎮痙、末梢血管拡張、抗菌、抗アレルギー、利尿、抗血栓作用など
病気への応用 悪寒、関節痛、筋肉痛、腹痛、浮腫、血行促進、自律神経失調症などに用いる
副作用薬物アレルギーに注意する

桂皮

 

こちらの関連ページもどうぞ

注目度の高いページもご覧下さい

  1. 甘遂
  2. 熟地黄
  3. 萆薢
  4. 赤芍
  5. 桑椹子
  6. 枸杞子
  7. 真珠
  8. 土茯苓
  9. 帰脾湯
  10. 阿片

薬味とは

生薬はその味によって五味(酸、苦、甘、辛、鹹)に分類されます。


酸味… 散らばったものを収める働きがあり、肝、胆、目、筋の機能を補います。


苦味… 軟らかいものを引き締め、熱状を鎮め、湿りを乾かす働きがあり、心、小腸の機能を補います。


甘味… 激しいものを緩め薄める働き(緩和作用)や足らないものを養い補っていく働きがあり、脾、胃をはじめ消化器系の機能を補います。


辛味… 気や血の滞りを散らし、発散させる働きがあり、肺、大腸、鼻、皮膚の機能を補います。


鹹味(カンミ、塩辛い味)… 乾きを潤し、硬いものを軟らかくし、水分の調節をする働きがあり、腎、膀胱、耳、骨髄の機能を補います。

薬性とは

生薬が身体を温めるか冷ますかなどの度合いを表したものを「薬性」と呼び、主に5つに分類されます。


…身体を強く冷やす効果がある。


…「寒」より穏やかに身体を冷やす効果がある。


…身体に熱的な影響を及ぼさない。


…身体を穏やかに温める効果がある。


…身体を強く温める効果がある。


さらに効果の高い「大寒、大熱」なども分類されます。

帰経とは

その生薬が作用する経絡、臓腑などを表したものを「帰経」と呼びます。


五蔵:心…心臓、循環機能や自律神経、「神」とも呼ばれ意識や思考なども表しています。


五蔵:肺…肺、呼吸機能や体温調節を表しています。


五蔵:脾…消化器全般の消化・吸収機能を表しています。


五蔵:肝…肝臓や目、自律神経、中枢・運動神経などを表しています。


五蔵:腎…泌尿・生殖器や内分泌系を表し、気を蓄える所とされています。


六腑:小腸…脾の一部である小腸の吸収機能などを表しています。


六腑:大腸…大腸を表し水分代謝に関係しています。


六腑:胆…胆嚢を表し肝の機能の一部を担います。


六腑:胃…胃を表し脾の初期消化を担います。


六腑:膀胱…膀胱を表し腎機能の尿を貯留を担います。


六腑:三焦…水分代謝全般を表します。


心包…五臓:心を包む膜